ドラマ『相続探偵』は、遺産相続だけを専門に扱う探偵の話です。殺人ではなく、相続。これが意外と面白いんですよね。各話を簡単にまとめたうえで、この題材選びの巧さについて考えます。
ドラマ『相続探偵』あらすじ
元弁護士の探偵が、遺産相続をめぐるトラブルを専門に引き受けます。依頼のたびに相続人たちの思惑がぶつかり、隠されていた家族の事情が表に出てくる。一方で、探偵自身の過去にも謎が残されています。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:作家の遺産をめぐるトラブルに、灰江が介入する
- 2話:保険会社の依頼で、少年の父の遺産問題を扱う
- 3話:身近な人物の事情と、新たな相続案件が並行する
- 4話:老舗和菓子店の後継者争いに踏み込む
- 5話:遺言の内容が明かされ、店の行方が決まる
- 6話:灰江自身の借金と過去が絡んでくる
【感想】「相続」を題材にした発想が勝ち
探偵ものなのに人が殺されない。これが新鮮なんですよね。
それでいて、緊張はちゃんとあります。相続というのは、身内が敵になる唯一の場面だからです。他人同士の争いより、家族が金で割れるほうがよほど生々しい。題材選びの時点で成功していると思います。
赤楚衛二の「軽さ」が効いている
扱う中身が重いので、探偵まで重厚だと見ていられなくなります。そこを軽く、どこか掴みどころなくやるのが正解なんですよね。
借金まみれで、だらしなくて、でも相続の話になると急に切れ味が出る。このギャップが作品のテンポを作っていると思います。
【考察】この作品が描くのは「遺言は誰のためか」
私は、この作品の主題は金の取り合いではなく、残された側がどう納得するかだと考えています。理由が2つあります。
理由①毎回、法的な正解では解決しない
灰江は元弁護士なので、法律上の答えはすぐ出せます。ところが話はそこで終わらないんですよね。
法的に正しくても、誰も納得しない。だから遺言の背後にある意図を掘りにいく。この作品が探偵ものである理由は、法律では足りないからだと思います。
理由②争っているのは金額ではない
各話をよく見ると、相続人が本当に求めているのは金ではありません。自分が認められていたかどうかを確かめたがっている。
遺産の配分は、故人からの評価の通知表のようなものなんですよね。だから1円の差でも争いになる。ここを掴んでいるから、毎回の話に感情が乗るのだと思います。
【考察】灰江自身の過去が残されている理由
灰江がなぜ弁護士を辞めたのか、なぜ借金があるのかは、少しずつしか明かされません。
他人の家族の事情を暴く人物が、自分の事情だけは語らない。この非対称が縦軸になっています。最終的に彼自身が相続の当事者になる展開があるとしたら、かなり効くと思います。
ドラマ『相続探偵』登場人物
- 灰江七生(赤楚衛二)
- 三富令子(桜田ひより)
- 朝永秀樹(矢本悠馬)
- 福士遥(落合モトキ)
- 金山竜(渋川清彦)
- 羽毛田香(三浦貴大)
- 地鶏健吾(加藤雅也)
ドラマ『相続探偵』スタッフ・主題歌
- 原作:西荻弓絵
- 漫画:幾田羊
- 原作掲載:「相続探偵」(講談社「モーニング」所載)
- 脚本:西荻弓絵
- 主題歌:レイニ「ラストレター」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
- 音楽:佐藤航、Gecko & Tokage Parade
- 演出:菅原伸太郎、長沼誠 ほか
- チーフプロデューサー:松本京子
- プロデューサー:島ノ江衣未、石井満梨奈(AX-ON)、本多繁勝(AX-ON)
- 協力プロデューサー:次屋尚、吉川恵美子(AX-ON)
- 制作協力:日テレアックスオン
- 製作著作:日本テレビ
『相続探偵』は納得をめぐる話
というわけで、ドラマ『相続探偵』の感想と考察でした。殺人事件が起きない探偵ものとして、かなり良い発明だと思います。皆さんはどう見たでしょうか。

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