『VIVANT』第21話、チンギスの回でしたね。銃を突きつけて形勢を変える場面から、空港での決断まで、完全に彼が物語を引っ張っていました。
ただ、いちばん引っかかったのは別のところです。バスの中で、チンギスが乃木に何かを言いかけて、やめた。あの数秒が頭から離れません。今回はそこを考えていきます。
『VIVANT』第21話のあらすじ
別班奪還の事実が敵側に知られ、乃木たちは封鎖をかいくぐりながら空港を目指します。絶体絶命の場面でチンギスが現れ、形勢が変わります。そして空港で、ある決断が下されます。
【感想】チンギスという人物の見せ方が見事だった
大塚明夫さんの声が効きすぎている
日本語吹き替えに大塚明夫さんを当ててきたのには驚きました。
あの低さと落ち着きが乗った瞬間、チンギスという人物の重さが一段上がるんですよね。言っていることは同じでも、声の信頼感だけで「この人は裏切らない」と思わせてしまう。配役の勝利です。
別班の儀礼曲をここで流す判断
脱出の場面で流れた曲にも、やられました。
あれを鳴らすということは、作り手がチンギスを別班と同じ側の人間として扱ったということでしょう。国籍も立場も違うのに、同じ曲で送り出される。台詞で説明せずに関係を示す、うまいやり方だと思います。
【考察】チンギスは何を言いかけたのか
ここからが本題です。バスの中、チンギスのスマホに着信が入り、彼は思案顔になりました。そして乃木のほうを見て、何かを言いかけ——結局、言わなかった。
私は、あれがベキについての情報だったと考えています。理由は3つあります。
理由① 言えなかったという事実そのもの
まず押さえたいのは、チンギスが口を閉じたという点です。
作戦に関わる情報なら、その場で言えばいい。言わなかったということは、いま伝えると乃木の判断が鈍る内容だったということです。これから命がけで空港へ向かう人間に、動揺を与えるわけにいかなかった。
そこまで配慮が必要な話題は、乃木にとって個人的なものしかありません。
理由② チンギスの立場から考えて自然
チンギスは、もともとベキのもとにいた人間です。乃木にとっては父を知る数少ない相手でもある。
その彼のところに連絡が入り、顔色が変わった。伝える相手として乃木を選んだ時点で、話題はベキに絞られます。組織の話なら、まずノコルに言うはずです。
理由③ このタイミングで出す意味
最終回まで残りわずかという時期に、わざわざ「言いかけてやめる」という間を作った。これは視聴者に考えさせるための余白です。
そして残された最大の空白は、ベキをめぐる決着です。あの人物の名前をもう一度出さずに終わる作品だとは、私には思えません。
【考察】チンギスは戻ってくるのか
ラストでチンギスは現地警察に囲まれました。普通に考えれば絶望的です。
ただ私は戻ってくると思っています。言いかけた言葉を未回収のまま退場させるのは、構成として不自然だからです。あの数秒を入れた以上、誰かが答えを言う場面が用意されているはず。それを言うのに最もふさわしいのは本人でしょう。
捕まることと死ぬことは違います。身柄を押さえられただけなら、取り戻す話がもう一本作れる。残り話数を考えても、そのくらいの展開は入ります。
【考察】Fの存在がノコルに知られた
もうひとつ大きかったのが、Fのことがノコルに露見した点です。
前回、ノコルは「名前はあるのか」と問いかけていました。あのとき彼は、相手が別人格だと察していたのだと思います。今回それが確信に変わった。
兄弟でありながら、片方はもう一人の自分を抱えている。この関係がどう決着するかが、最終回の感情の芯になると見ています。
第21話はチンギスに持っていかれた回だった
救出も、脱出も、最後の決断も、すべて彼が動かしていました。主役級の扱いです。
だからこそ、あの言いかけた言葉が宙に浮いたままなのが気になります。次回、誰の口から答えが出るのか。楽しみにしています。詳しい展開はぜひ本編でご覧ください。

コメント