ドラマ『南くんが恋人!?』は、恋人が突然15センチになってしまう話です。設定はファンタジーなのに、描かれているのは介護と別れの話なんですよね。各話を簡単にまとめたうえで、その中身を考えます。
ドラマ『南くんが恋人!?』あらすじ
高校生のちよみの恋人・南くんが、ある日突然15センチの大きさになってしまいます。誰にも言えないまま世話をする日々が始まり、やがてこの状態がなぜ起きたのか、そしてどこへ向かうのかが明らかになっていきます。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:ちよみと南くんの関係と、それぞれの家庭が描かれる
- 2話:南くんが小さくなり、ちよみが世話をはじめる
- 3話:周囲に隠しながらの生活が続き、第三者が現れる
- 4話:家族が事情を察し、思わぬ形で受け入れる
- 5話:南くんが同じ境遇の人物と出会う
- 6話:周囲の人々を巻き込みながら、穏やかな時間が流れる
- 7話:南くんの事情が明かされ、ちよみが決断する
【感想】設定を「世話をする話」に落とし込んだ
小さくなるという設定は、普通ならコメディに使います。この作品は、そこを生活の話にします。
風呂に入れる、食事をさせる、運ぶ、隠す。やっていることは、ほとんど介護なんですよね。ファンタジーの皮をかぶっているだけで、中身は誰かの世話をし続ける日々。この転換が効いています。
家族の受け入れ方が良い
中盤、家族が事情を察して受け入れる場面があります。説明も説得もなく、ただ合わせてくれる。
この描き方が優しくて、作品の温度を決めていると思います。理解されないことが前提の話に、理解してくれる人を置いたのは大きい。
【考察】この作品の主題は「一緒にいられなくなること」
私は、この作品が扱っているのは恋愛ではなく、同じ世界にいられなくなる相手をどうするかだと考えています。理由が2つあります。
理由①問題は「小ささ」ではなく「ズレ」
2人の間にあるのは、身長差ではありません。同じことができなくなったという事実です。
一緒に歩けない、同じものを食べられない、同じ速度で生きられない。これは病気や加齢で起きることと、まったく同じ構造ですよね。
理由②ちよみが「同じになろう」とする
終盤で、ちよみは自分も小さくなろうとします。これが主題を決定づける行動だと思います。
相手に合わせて自分を壊してでも一緒にいたい。献身なのか、それとも別の何かなのか。支える側がどこまで自分を差し出していいのかという問いが、ここで突きつけられます。
【考察】ファンタジーの形を選んだ理由
この主題は、病気を題材にすれば直接描けます。あえて不思議な設定にしたのは、原因を問えなくするためだと思います。
病気なら治療を考えますし、誰かを責めることもできる。理由の分からない現象にすることで、受け入れる以外に選択肢がない状況が作られる。この割り切りが、作品を純粋にしていると思います。
ドラマ『南くんが恋人!?』登場人物
- 堀切ちよみ(飯沼愛):女子高生。バスケ部所属。
- 南浩之(八木勇征):バスケスター。ちよみの恋人。
- 堀切信太郎(武田真治):ちよみの父。焼き鳥店「信真」を経営。
- 堀切拓真(番家天嵩):ちよみの弟。信太郎の連れ子。
- 佐川美鈴(武田玲奈):南くんのバスケ部コーチ。
- 江藤(岩瀬洋志):南くんのバスケ部チームメイト。
- 高村奈美(大和奈央):ちよみのバスケ部チームメイト。
- 溝口恭介(今井柊斗):ちよみの同級生。
- まっちゃん(ワタナベケイスケ):焼き鳥「信真」の常連。
- 堀切たけし(富澤たけし):ちよみの実父。
- 南薫子(八木亜希子):南くんの母。
- 南晴幸(沢村一樹):南くんの父。
- 山高善三(光石研):ちよみのバスケ部コーチ。
- 木村久子(室井滋):手芸店の店主。
- 堀切百合子(加賀まりこ):ちよみの祖母。
- 堀切楓(木村佳乃):ちよみの母。
ドラマ『南くんが恋人!?』スタッフ・主題歌
- 原案:内田春菊『南くんの恋人』『南くんは恋人』
- 脚本:岡田惠和
- 監督:宝来忠昭、小松隆志、竹園元(テレビ朝日)
- 音楽:村松崇継
- エグゼクティブプロデューサー:内山聖子(テレビ朝日)
- ゼネラルプロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)
- プロデューサー:神田エミイ亜希子(テレビ朝日)、布施等(MMJ)、村山太郎(MMJ)
- 制作著作:テレビ朝日、MMJ
『南くんが恋人!?』は支える側の話
というわけで、ドラマ『南くんが恋人!?』の感想と考察でした。奇抜な設定に見えて、扱っているのはかなり普遍的なテーマだと思います。皆さんはどう見たでしょうか。
