ドラマ『御上先生』は、文科省の官僚が私立高校に赴任してくる話です。学園ドラマの形をしていますが、扱っているのは教育行政そのものなんですよね。各話を簡単にまとめたうえで、その射程について考えます。
ドラマ『御上先生』あらすじ
官僚が出向という形で私立高校の教壇に立ちます。彼は生徒に答えを教えず、考えさせる授業を続けていく。一方で、ある事件と学校、そして省庁がつながっていることが少しずつ明らかになっていきます。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:御上が私立高校に赴任し、独特の授業を始める
- 2話:生徒が自ら取材に動き、記事の背景を追いはじめる
- 3話:御上が事件の当事者と面会する
- 4話:学校と事件の関わりが公になり、教室で議論が起きる
- 5話:当事者の過去が明かされ、生徒たちも動き出す
- 6話:御上自身の過去と、兄の存在が明らかになる
- 7話:省庁側でも事態が動き、学校で処分が下される
【感想】生徒に答えを与えない授業
御上の授業が、本当に教師らしくないんですよね。正解を教えないし、まとめもしない。問いを置いて、あとは生徒に投げる。
これは教育ドラマとしてはかなり不親切な描き方です。視聴者にも答えが与えられない。でもそれがこの作品の姿勢そのものなんだと思います。考えさせることを、作品の構造でもやっている。
松坂桃李の「官僚の顔」
御上は教師ではなく官僚です。だから情熱で動かない。生徒に肩入れしすぎず、制度の言葉で話す場面もある。
松坂桃李さんは、その距離感を崩しません。熱血教師に転ばないから、終盤で本音が出る場面が効くんですよね。
【考察】この作品の主題は「誰が教育を決めるのか」
私は、この作品が問うているのは教師の資質ではなく、教育を誰が設計しているのかだと考えています。理由が2つあります。
理由①主人公が現場の人間ではない
わざわざ官僚を主人公に置いたことに意味があると思います。教室で起きる問題の原因が、教室の外にあると示すためです。
熱心な教師が頑張れば解決する、という話にしない。制度の側を変えないと現場は変わらないという立場が、人物設定の時点で決まっています。
理由②事件が学校と省庁をつなぐ
もうひとつ、物語の核にある事件が、学校だけの問題では終わりません。試験制度、進路、そして官僚組織へとつながっていく。
つまり一人の生徒の不幸が、個人の不運ではなく構造の産物だと示されるわけです。学園ドラマの枠を超える射程が、ここにあります。
【考察】御上が生徒に問い続ける理由
御上が答えを教えないのは、教育論からではないと思います。答えを与えられて育った結果が、いまの制度だからです。
疑わずに受け入れる人間を大量に作ってきた仕組みの中にいる人物が、その仕組みを内側から崩そうとしている。自分の職業を否定する行為なんですよね。ここがこの作品でいちばん熱いところだと思います。
ドラマ『御上先生』登場人物
- 御上孝(松坂桃李)
- 是枝文香(吉岡里帆)
- 神崎拓斗(奥平大兼)
- 富永蒼(蒔田彩珠)
- 次元賢太(窪塚愛流)
- 椎葉春乃(吉柳咲良)
- 宮澤涼(豊田裕大)
- 東雲温(上坂樹里)
- 千木良遥(髙石あかり)
- 徳守陣(八村倫太郎)
- 冬木竜一郎(山下幸輝)
- 和久井翔(夏生大湖)
- 倉吉由芽(影山優佳)
- 櫻井未知留(永瀬莉子)
- 安西淳平(森愁斗)
- 小栗天音(安斉星来)
- 晴山奈緒(矢吹奈子)
- 香川大樹(今井柊斗)
- 波多野侑(真弓孟之)
- 榎本咲良(西本まりん)
- 遠田祥子(花岡すみれ)
- 戸隠栞(野内まる)
- 村岡渉(山田健人)
- 伊原宙(渡辺色)
- 高梨晋太郎(青山凌大)
- 川島圭祐(藤本一輝)
- 遠藤雄大(唐木俊輔)
- 綾瀬智花(大塚萌香)
- 市原穂波(鈴川紗由)
- 金森絵麻(芹澤雛梨)
- 名倉知佳(白倉碧空)
- 槙野恭介(岡田将生)
- 溝端完(迫田孝也)
- 一色真由美(臼田あさ美)
- 津吹隼人(櫻井海音)
- 中岡壮馬(林泰文)
- 塚田幸村(及川光博)
- 冴島悠子(常盤貴子)
- 古代真秀(北村一輝)
ドラマ『御上先生』スタッフ・主題歌
- 脚本 :詩森ろば
- プロデューサー :飯田和孝、中西真央、中澤美波
- 演出 :宮崎陽平、嶋田広野、小牧桜
- 音楽 :鷺巣詩郎
- 脚本協力 :畠山隼一、岡田真理
- 教育監修 :西岡壱誠
- 学校教育監修 :工藤勇一
- 製作著作 :TBS
『御上先生』は制度を問う学園ドラマ
というわけで、ドラマ『御上先生』の感想と考察でした。学園ものとして見ると物足りないかもしれませんが、社会派として見ると相当に攻めている作品だと思います。皆さんはどう見たでしょうか。

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