ドラマ『Re:リベンジ』は、病院の跡取り息子が父の死の真相を追ううちに、自分自身が変質していく話です。復讐ものなのに、途中から主人公を応援できなくなる。そこが面白いんですよね。各話を簡単にまとめたうえで、その構造を考えます。
ドラマ『Re:リベンジ』あらすじ
大病院の理事長が急死し、その息子が跡目を継ぐことになります。父の死に不審な点を感じた彼は真相を探りはじめますが、同時に院内の権力争いにも巻き込まれていく。守るために始めたはずの行動が、次第に別のものに変わっていきます。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:理事長が急死し、息子の海斗が跡目を継ぐことになる
- 2話:海斗が何者かに眠らされていたことが分かる
- 3話:父の死の状況を調べると、予想と違う人物が浮かぶ
- 4話:理事長選をめぐり、院内の派閥争いが激化する
- 5話:選挙が中止になり、新たな条件が突きつけられる
- 6話:海斗が理事長に就くが、融資先の問題が発覚する
- 7話:手術と新プロジェクトが動き出す
- 8話:手術をめぐる問題が起き、海斗は判断を迫られる
- 9話:海斗の選択が追及され、立場が揺らぐ
- 10話:関係者に犠牲が出て、追及が最終段階に入る
- 最終話:理事会ですべてが明かされる
【感想】赤楚衛二の「濁っていく」芝居
この作品の見どころは、主人公がだんだん嫌な人間になっていくところです。
序盤の海斗は、父に反発する真っ当な青年です。それが回を追うごとに、言い訳が増え、目つきが変わっていく。赤楚衛二さんは、その変化を段階的にやっていて、どこで変わったのか特定できない。これが上手いところだと思います。
錦戸亮の立ち位置が絶妙
対する大友という人物が、敵なのか味方なのか最後まで揺れます。正しいことを言っているのに、動機が読めない。
この人物がいるおかげで、視聴者はどちらに味方すべきか決められないまま見続けることになります。サスペンスとしての緊張はここから生まれていると思います。
【考察】この作品は復讐ものではなく「継承」の話
私は、この作品が描いているのは復讐ではなく、嫌っていた父と同じになっていく過程だと考えています。理由が2つあります。
理由①海斗の行動が父のやり方に近づく
序盤、海斗は父の権威主義的なやり方を批判しています。ところが理事長になった後の彼は、まったく同じ手法を使いはじめる。
情報を握り、隠し、切り捨てる。これは変節ではなく、その立場に立てばそうなるという描写だと思います。人ではなく椅子が人を変える、という話ですよね。
理由②タイトルに「Re:」が付いている
もうひとつのヒントがタイトルです。「Re:」は返信を意味しますが、繰り返しの意味でもあります。
復讐が返ってくるという読み方もできますし、同じことが繰り返されるという読み方もできる。世代が変わっても同じ構造が再生産されるという主題だと考えると、この付け方が効いてきます。
【考察】医療が舞台である必要性
権力争いだけなら、舞台は企業でも成立します。それでも病院にしたのは、判断のミスが直接人の命に関わるからだと思います。
保身と人命が天秤にかかる場所だからこそ、主人公の変質が決定的なものになる。舞台設定が主題に奉仕している作品だと思います。
ドラマ『Re:リベンジ』登場人物
- 天堂海斗(赤楚衛二):病院の理事長の息子
- 大友郁弥(錦戸亮):優秀な謎多き外科医
- 朝比奈陽月(芳根京子):海斗の恋人
- 木下紗耶(見上 愛):海斗の記者時代の後輩
- 天堂佑馬(青木 柚):病院の広報部に所属
- 朝比奈美咲(白山乃愛):陽月の妹
- 高村 実(利重 剛):理事長の秘書
- 鮎川賢二(梶原 善):病院の外科部長
- 三輪光成(小木茂光):病院の副院長
- 天堂智信(光石 研):病院の理事長
- 天堂市子(余 貴美子):病院の院長
- 天堂皇一郎(笹野高史):病院の会長
ドラマ『Re:リベンジ』スタッフ・主題歌
- 脚本:伊東 忍、中村允俊、奥村徹也
- 主題歌:Stray Kids『WHY?』
- 音楽:堤 裕介
- 企画:藤野良太
- プロデュース:足立遼太朗
- 演出:金井 紘、柳沢凌介
- 制作協力:storyboard
- 制作著作:フジテレビ
『Re:リベンジ』は椅子が人を変える話
というわけで、ドラマ『Re:リベンジ』の感想と考察でした。主人公に感情移入しづらくなる作りは、意図的なものだと思います。皆さんはどう見たでしょうか。
