ドラマ『366日』は、12年越しの想いがようやく実った直後に、すべてが変わってしまう物語です。始まった瞬間に奪われる。この構造が最後まで効いてきます。各話を簡単にまとめたうえで、この作品が何を描こうとしていたのかを考えます。
ドラマ『366日』あらすじ
高校時代から想い続けてきた相手と、同窓会をきっかけに再会し、ようやく交際が始まります。ところがその直後、相手が事故に遭い、記憶と日常に大きな影響が残ることに。想いが通じた先にある現実と、2人がどう向き合うかが描かれます。
各話あらすじ(簡易版)
各話の流れを簡単にまとめます。詳しい展開は本編でご覧ください。
- 1話:同窓会で再会した2人が、12年越しに交際をはじめる
- 2話:遥斗が事故に遭い、明日香は自分を責める
- 3話:遥斗が用意していたものを探すなかで、高校時代の関係が見えてくる
- 4話:意識の戻らない日々が続き、周囲の人間関係にも変化が起きる
- 5話:後遺症と記憶の問題が明らかになるが、回復の兆しも見える
- 6話:戻った記憶に大きな欠落があることが分かる
- 7話:退院して社会に戻るも、現実の難しさに直面する
- 8話:遥斗が自分の状態と明日香への負担に向き合いはじめる
- 9話:2人の距離が離れ、それぞれの時間が流れる
- 10話:遥斗に新しい選択肢が示され、関係が大きく動く
【感想】「幸せの直後」に落とす構成が残酷でうまい
この作品、1話の終わり方がとにかく残酷なんですよね。12年待った想いがようやく届いて、これから、というところで落とす。
ただこれ、単に泣かせるための配置ではないと思っています。先に幸せを見せておかないと、失われたものの大きさが伝わらない。視聴者に「戻ってほしい状態」を先に見せてから奪う。構成として計算されています。
広瀬アリスの「笑おうとする顔」
広瀬アリスさんの芝居で印象的だったのは、泣く場面より笑おうとして失敗する場面です。
相手の前では大丈夫なふりをしないといけない。でもできていない。その中途半端さが本物っぽいんですよね。完全に泣き崩れるより、こちらのほうがずっとしんどいです。
【考察】この作品の主題は恋愛ではなく「介護」だと思う
私は、『366日』が描いているのは恋愛より、支える側の消耗だと考えています。理由が2つあります。
理由①「負担」という言葉が繰り返し出てくる
作中で何度も、支えることの負担が話題になります。恋愛ドラマなら避けて通る部分です。愛があれば乗り越えられる、で済ませたほうが気持ちよく終われますから。
それを正面から出したということは、そこを描きたかったということ。支える側にも限界があり、支えられる側もそれに気づいてしまう。この往復が主題だと思っています。
理由②遥斗が身を引こうとする理由
もうひとつ決定的なのが、遥斗の側の動きです。彼が離れようとするのは、愛情が薄れたからではありません。
自分が相手の人生を止めていると自覚したからです。これは恋愛の問題ではなく、関係の持続可能性の問題ですよね。優しさが別れの理由になるという構図が、この作品でいちばん苦しいところだと思います。
【考察】タイトルの「366日」が意味するもの
なぜ365日ではなく366日なのか。うるう年の1日、つまり本来なら存在しないはずの1日ということだと思います。
失われた時間を取り戻せるわけではない。でも例外的に1日だけ多い年がある。そこに望みを託すタイトルだとしたら、かなり切ない付け方ですよね。
ドラマ『366日』登場人物
- 雪平明日香(広瀬アリス):音楽教室に受付として勤務
- 水野遥斗(眞栄田郷敦):外食チェーン勤務
- 小川智也(坂東龍汰):高校時代、遥斗と同じ野球部
- 下田莉子(長濱ねる):明日香の親友
- 吉幡和樹(綱啓永):高校時代、野球部マネージャー
- 池沢友里(和久井映見):病院・脳神経外科医
- 水野智津子(戸田菜穂):遥斗の母
- 水野輝彦(北村一輝):遥斗の父
ドラマ『366日』スタッフ・主題歌
- 脚本:清水友佳子
- 主題歌:『366日』(HY)
- 音楽:REMEDIOS
- 演出:平川雄一朗、宮木正悟、片山雄一
- プロデュース:狩野雄太
- 制作協力:AOI Pro.
- 制作・著作:フジテレビ
『366日』は支えることの重さを描いた作品
というわけで、ドラマ『366日』の感想と考察でした。泣かせにくる作品と思って見はじめると、思った以上に現実的な話で驚きます。皆さんはどう見たでしょうか。
